展示会のブースは、自社のプロダクトをアピールする格好の場であり、細部までしっかりと考え抜かれたものであるべきです。ブースに興味を持ってくれる来場者が多ければ多いほど、必然的にビジネスチャンスも増大していきます。
しかし「展示会のブースを考え抜く」と言われても、具体的にどう深掘りしていけばよいかわからない場合も多いのではないでしょうか。
この記事では、展示会ブースのデザイン事例を紹介するとともに、デザインを決めるときのコツについても解説します。
展示会ブースのデザイン事例4選
まずは展示会ブースのデザイン事例を4つ紹介します。以下のようにカテゴリ分けをおこないました。
- ・1小間の事例
- ・2小間の事例
- ・求人ブースの事例
- ・イベントブースの事例
自社のプロダクトを魅力的にアピールするうえで、参考にしてください。
1. 1小間の事例
展示会におけるブースの広さは、慣習的に「小間」で表現されます。1小間は3平方メートルです。
来場者にアピールしたいことを1小間のなかにすべて詰め込むのは不可能なので、「とくに見せたいものは何か」「少しでもスペースを省略できないか」と考えていくことが重要となります。
以下の画像は1小間で構成されたブースの事例です。
スタイルは色々ですが、壁面を有効活用し、通路からでも全体像をある程度つかめるように設計することが、省スペースのブースにおける基本戦略です。
2. 2小間の事例
2小間のブースは6平方メートルとなり、縦長あるいは横長となります。当然ながら1小間のブースと比べて、できることは増えます。ある程度余裕のあるスペースをどの方向性で活用するかが、2小間ブースの重要なポイントです。
以下は2小間で構成されたブースの事例です。
2小間の場合、壁を使って情報を提示するだけでなく、ブースに立ち寄ってくれた来場者を迎える椅子やテーブルを設置する余裕もあります。自社のプロダクト情報に囲まれたなかで来場者にアピールできるのは、絶好の機会といえるでしょう。
3. 求人ブースの事例
求人ブースにおいては、最小限のスペースで自社の方向性をアピールすることが求められます。一瞬の見栄えで判断されてしまうことも多いので、独自性も大切ですが、基本的なノウハウを抑えることはさらに重要です。
王道的な求人ブースの事例としては、以下のようなアイテムを揃えたブースが考えられます。
- ・のぼり旗
- ・配布用パンフレット
- ・企業PR動画
- ・企業オリジナルのバックパネル
- ・企業オリジナルの椅子カバー
強く意識するべきなのは、「統一感を持たせること」「着席しやすさ」といった要素です。
上記のポイントを抑えたブースの事例は以下の画像をご覧ください。
4. イベントブースの事例
イベントブースにおいては、いかに来場者の好奇心を刺激するかが大きなポイントとなります。与えられるスペースの広さはその時々でさまざまですが、見せたいものをしっかり考え抜いたうえで、「自分たちの世界」に来場者をまんまと引きずりこむ戦略を立てなければいけません。
イベントブースの事例としては、以下のようなものが挙げられます。
自社のプロダクトをしっかりとアピールすること、来場者に何らかの体験をして帰ってもらうこと、などが重視されているのがわかります。
展示会ブースのデザインを決めるときのコツ
展示会ブースのデザインを決めるときに考えるべきコツとしては、以下の5つが挙げられます。
- ・来場者の求めるものを理解する
- ・簡潔に伝える
- ・導線を考える
- ・照明の当て方に気をつける
- ・展示と陳列を分ける
順番に見ていきましょう。
コツ1. 来場者の求めるものを理解する
来場者が何を求めて展示場に行ってきたのかを把握することは、ブースをデザインするときの基本といえます。
展示会に来る来場者が求めているのは、新しい情報です。「できるだけたくさんのブースを回りたい」「なんとなく入ったブースで担当者につかまって時間を取られたくない」といった思考が推測されます。
自社のブースの前で足を止めてもらうためには、瞬時に興味を持ってもらえるデザインにする必要があるでしょう。
具体的な方法の1つとして、通路側の展示台に来場者の興味を引くものを展示するデザインが挙げられます。通路側の展示台は来場者の目に留まりやすいので、特別な呼び込みをしなくても、展示台自体が来場者を引き止めてくれます。
コツ2. 簡潔に伝える
伝えたいことをできる限り簡潔に伝えることも、ブースのデザインを決める際にはしっかり考慮しなければいけません。
来場者がブースの前を通るのは、ほんの数秒程度です。来場者は1つのブースをじっくり眺めながら歩いているわけではなく、あちこちのブースに視線を移しています。どれだけ趣向を凝らしたとしても、自社のブースが視界に入っている時間はわずかしかありません。
わずかな時間で来場者の興味を引くためには、情報を簡潔に伝えることが重要です。
会社名を覚えてもらうことはもちろんですが、何を扱っているのか、そのメリットは何なのか、簡潔なキャッチコピーとともにブースに掲げてアピールするべきでしょう。
コツ3. 導線を考える
来場者の導線をきちんとシミュレーションしておくことも、ブースのデザインにおいては重要となります。展示場の入り口から入って来た来場者がどのように会場を巡るのか、その過程で自社のブースをどのように眺め得るのか、考えなければいけません。
ブースの配置場所によっても、デザインは変わってきます。たとえばメインの通路から離れたブースであれば、遠くからでも目立つデザインにしなければ注目してもらえません。会社名やキャッチコピーを高い位置に掲げて、遠くから見えるようにするなどの工夫が必要となります。
ブースの外観だけでなく、ブース内の導線を意識することも大切です。来場者が移動するための十分なスペースを確保することなどは、代表例でしょう。
ほかにも、小さなブースの場合には、スペースを取る割に遊んでいる時間も多い商談席ではなく、流れを確保しつつ来場者と商談できるハイテーブルを設置するといった工夫が考えられます。
コツ4. 照明の当て方に気をつける
照明の当て方についても、十分に考え抜いておく必要があります。照明の当たり方次第で、ブース全体や展示物の見栄えがまったく変わってしまうからです。
照明がプロダクトや看板にきちんと当たっていないと、アピールが弱くなるだけでなく、ブース全体が暗い印象になってしまい、ポジティブなイメージを与えられません。目立たせるべきものにしっかり照明をあてることで、来場者の視線も誘導しやすくなり、ブース全体が引き締まります。
コツ5. 展示と陳列を分ける
自社のプロダクトをブースに並べるとき、「展示」と「陳列」の違いをしっかり理解しておくことも大切となります。
展示とは、プロダクトの魅力を伝えるために綺麗に飾ったり、使い方を具体的に示したりするものです。第一印象がポイントであり、プロダクトが魅力的に映るよう気を配ることが何よりも重視されます。
一方で陳列とは、商品の種類と内容を正確に並べるためにおこなうものです。プロダクトの魅力を伝えることは目的の半分であり、もう半分は「情報をわかりやすく提供すること」となります。結果として展示よりも陳列のほうが、おとなしいデザインになるでしょう。
展示すべきものと陳列すべきものを正しく区分けし、最適な形で来場者に提示することが重要です。
展示会ブースを業者に頼むメリット
展示会ブースを専門の業者に頼むメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- ・デザインのレベルがまったく違う
- ・展示会ブースに必要なノウハウを熟知している
- ・社員の負担を軽減できる
クリエイター系・メーカー系の企業でない限り、自社でデザイナーを抱えているところは少ないでしょう。自社でデザインするのとプロの業者に頼むのとでは、レベルの違いは明らかです。
業者は展示会ブースをデザインすることに慣れており、どういうポイントを押さえればよいかを熟知しています。業者に任せることで、限られたスペースを効果的に利用するブースになるでしょう。
また業者に発注することで、自社社員の負担を軽減できるのもメリットです。社員が力を発揮するのは展示すべきプロダクトに関してであって、展示そのものではありません。本来やるべき事に注力する意味でも、業者に頼むのはよい選択です。
まとめ
展示会ブースのデザインについて、具体的なデザイン事例や、デザインを決めるときのコツなどについて解説しました。
展示会において重要なのは、短時間で来場者の興味を引くことです。来場者はたくさんの企業の展示ブースを見て回るために来ているので、「じっくり見てもらえれば伝わる」というスタンスでは狙った通りの訴求ができません。来場者の立場になって、ポイントを押さえたデザインをする必要があるでしょう。
この記事を参考にして、自社のプロダクトを最大限にアピールできるブースをデザインできるようになってください。
この記事を書いた人
運営事務局ブースコムプラス
展示会出展やプロモーションイベント開催時のブース設営を行っているブースコムプラスの運営事務局です。