展示会ブースで大切なのは、いかに来場者の興味を引くものを作れるかということです。なかでも重要なのはレイアウト。ポイントを押さえた適切なレイアウトで設定しないと、立ち寄りにくい・目立ちにくいブースになってしまいます。
展示会において、目的をしっかり達成できるブースを設置するには、いくつかの要素について徹底的に考えなければいけません。オリジナリティよりもまず、基本のポイントをおさえておくことが重要だといえるでしょう。
この記事では、レイアウトを考えるときに外せないポイントを解説するとともに、テーマ別のレイアウト事例を紹介します。
レイアウトを考えるときのポイント
展示会ブースのレイアウトを考えるときのポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
- ・人が通れるスペースがあるか
- ・入口から出口までの動線はスムーズか
- ・入りにくいブースになっていないか
順番に見ていきましょう。
人が通れるスペースがあるか
展示会ブースは必ずしも広いとは限りませんが、人が通れるスペースはきちんと確保しておく必要があります。通路をはじめ、全体的に空間を感じさせるレイアウトでなければ、せっかく足を運んでくれた来場者に窮屈な思いをさせてしまうでしょう。
通路の幅や、テーブル・椅子に座ったときのスペースについては、一般的に以下の長さを確保するべきだとされています。
- ・通路の幅:約900mm
- ・通常のテーブル:約750mm
- ・カウンターテーブル:約750mm
上記のスペースを意識しつつレイアウトを考えることで、来場者が訪れやすい展示会ブースを作れます。とくに1小間のブースにおいては、展示物と道路の幅のバランスを取ることが大きな課題なので、十分な計算をおこないましょう。
入口から出口までの導線はスムーズか
一定のスペースを確保できる目処が立ったら、次に考えるべきは来場者の通る道、すなわち導線をしっかりと確保することです。
来場者はさまざまなブースを眺めながら、通路を歩いています。そして興味深い立て札などを見つけたとき、そのブースに立ち寄ろうと考えます。
このとき、立て札を見つけた来場者に一瞬でも「どこから入ればよいのか」という疑問を持たせてしまったら、立ち寄ってもらえないかもしれません。また入口がわかりやすかったとしても、出口と同じであった場合などは、人の流れが阻害され入りにくい空間になってしまいます。
ブースに興味を持ってくれた来場者が入口を見つけやすいこと。入ってくれた来場者が簡単に一通り閲覧できるよう誘導すること。出口からスムーズに出ていけること。これらを意識してレイアウトしなければいけません。
入りにくいブースになっていないか
前項でも少し触れましたが、入りにくいブースになっていると、どれだけ趣向を凝らしたとしても訪れてくれる来場者の数は減ってしまいます。
入りにくいブースの例としては、以下のようなものが挙げられます。
- ・入口の装飾が凝りすぎていて狭くなっている
- ・スタッフが入口に固まって待ち構えている
入り口はできるだけ開放的にし、通路を歩いている来場者からブースのなかが見える状態にしておきましょう。スタッフをブースの奥に配置することも大切です。スタッフがどこに立っているかも、レイアウトの一環であると考えましょう。
テーマ別のレイアウト事例
ここではテーマ別に、レイアウトの事例を見ていきます。展示会ブースと一言でいっても、展示会のテーマによって目指すべきものは異なるので、重要なところです。
自社のプロダクトをできるだけたくさん見せたい場合もあれば、ブースに来てくれた来場者に何かを体験してもらうといった趣向を凝らしたい場合もあるでしょう。展示会ごとにコンセプトをしっかり決めて、適切なレイアウトを施すことが大切となります。
ここでは、展示会ブースを以下の4つのタイプに分けて、事例を紹介します。
- ・製品展示型
- ・体験・セミナー型
- ・商談重視型
- ・パネル展示型
1つ1つわかりやすく解説します。
事例1. 製品展示型
大型装置・工業製品・販促品・食品などの業種は、製品展示型のレイアウトと相性がよいといえるでしょう。自社プロダクトのサンプルを提示し、訪れてくれた来場者にプロダクトの魅力をしっかり伝えることが、最重要視されます。
事例として、以下のケースを紹介しましょう。
この事例では、ブースの中に入らずとも通路からプロダクトのサンプルを見て回れるようになっています。展示ブースの空間が限られていることは、このレイアウトにおいてほとんどデメリットになっていない点に注目しましょう。
事例2. 体験・セミナー型
ITシステム開発や無形サービス、総務人事系サービス、エクササイズ実演などの業種は、体験・セミナー型のレイアウトを選ぶとよいでしょう。サービスの魅力を理解してもらうには丁寧な説明が必要であるため、来場者を集客し、じっくり話を聞いてもらうことが大切となります。
事例として、以下のケースを紹介しましょう。
上記は展示会ブースの装飾を担当する企業のブースです。まずは看板を使って、出品しているものとそのメリット、予算などをアピールし、何のブースであるか来場者に理解してもらいます。
またこのブースでは、セミナースペースを用意し、来場者に着席してもらって、モニターを使った説明を聞いてもらえるレイアウトになっています。
事例3. 商談重視型
フランチャイズ商談やシミュレーションの提示、システム導入相談や資産運用商談といった業種においては、展示会ブースで商談できることを重視したレイアウトがおすすめです。興味を持ってくれた来場者に対して、その場で商談まで持っていくことで、確実に売上を確保していく戦略です。
事例として、以下のケースを紹介しましょう。
プロダクトの紹介は最小限に留めておき、代わりに商談スペースを設けています。興味を持ってくれた来場者に対して、具体的なサービス内容を細かく説明できるのがこのレイアウトの強みです。
事例4. パネル展示型
教育システムサービスや業務支援サービス、また各業種の実績提示を目的とした展示ブースにおいては、パネル展示型のレイアウトがおすすめです。導入先が抱えていた問題と解決方法をパネルにより丁寧に説明することで、導入を検討している来場者に必要な情報を提示します。
事例として、以下のケースを紹介しましょう。
ブースに入ると、より詳細な導入事例が提示されており、具体例を通してサービスをよりしっかり把握したい来場者に強い印象を与えることが可能です。
ブースレイアウトの企画はプロに頼もう
展示ブースのレイアウトを自社でおこなうことも不可能ではありませんが、できる限りプロに依頼することをおすすめします。来場者をしっかりと引きつけ、自社の提供するプラクトやサービスを十分にアピールするブースを作るには、複合的なノウハウが必要になるからです。
展示ブースの設計を業務とするプロは、プロダクトやサービスごとに「どう見せるのが最適であるか」を熟知しています。後々の売上を考えるのであれば、ある程度の費用を支払ってでもプロにレイアウトをお願いするのが妥当であるといえるでしょう。
また外部に展示ブースのレイアウトを依頼することで、自社社員の作業コストを軽減でき、本来注力すべき業務に注力してもらえる点もメリットです。
まとめ
展示会ブースのレイアウトに関する必要な知識を、ざっくりとまとめて解説しました。
展示会ブースは自社のプロダクトやサービスをアピールする格好の場であり、軽く考えるべきではありません。ブースのレイアウトについてもきちんと考え抜き、最高のアピールで来場者の心を掴む必要があります。
この記事を参考にして、展示会ブースのレイアウトで失敗しないようにしておきましょう。
この記事を書いた人
運営事務局ブースコムプラス
展示会出展やプロモーションイベント開催時のブース設営を行っているブースコムプラスの運営事務局です。