「中小企業も展示会に出展した方がいいのだろうか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。展示会に出展するには費用がかかりますが、さまざまなメリットが得られます。ただし、出展すれば成果が出るわけではないため、しっかりした準備が必要です。
本記事では、中小企業が展示会に出展すべき理由や、成果を出すためのポイントを解説いたします。中小企業が活用できる補助金や助成金の情報もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
中小企業が展示会に出展すべき3つの理由
中小企業が展示会に出展した方が良い理由には、次の3つが挙げられます。
- ・知名度が高くなくても顧客とコミュニケーションがとれる
- ・顧客から直接フィードバックを得られる
- ・ネットワークが広がる
①知名度が高くなくても顧客とコミュニケーションがとれる
知名度が高くない中小企業の場合、飛び込みでの営業は不利といえるでしょう。売り込みに来たと警戒されるため、話を聞いてもらえないこともあります。しかし、展示会の来場者は情報収集を目的に来場しています。顧客の求める情報を提供すれば、知名度が高くなくてもコミュニケーションがとれます。
②顧客から直接フィードバックを得ることができる
展示会に出展するメリットの一つには、顧客から直接フィードバックを得られることが挙げられます。既存顧客や潜在顧客と対面でコミュニケーションがとれるため、自社の製品やサービスに対するフィードバックを直接受け取れます。顧客のニーズをより理解できるとともに、自社製品の改善点を見つけることができるでしょう。
フィードバックを製品やサービスに反映させれば、顧客満足度の向上につながります。顧客との信頼関係も高まるでしょう。
③ネットワークが広がる
見込み客の開拓だけでなく、ネットワークづくりができることも中小企業が出展すべき理由の一つです。展示会には業界の同業他社や専門家などが集まるため、横のつながりを作れます。ネットワークが広がり、他の企業とのパートナーシップを通じて新しいビジネスチャンスを見つけることも可能です。
中小企業が展示会で成果を出すためのポイント
展示会に出展するには費用も時間もかかるため、しっかりと準備が必要です。中小企業が展示会で成果を出すためのポイントを2つご紹介します。
企画からアフターフォローまで徹底的に準備する
中小企業が初めて展示会に出展する場合、何から準備を始めたら良いかわからないかもしれません。しかし、出展が目的になってしまうと、期待したほどの成果は得られないでしょう。企画からアフターフォローまで念入りな準備が重要です。
まずは展示会に出展する目的を明確にして、目標を決定します。企画を立案したら予算を確定し、展示会への申し込み手続きを行います。ブースの設計や什器の手配、招待状やカタログなどの印刷物、ノベルティの手配など、外部への注文が必要なものは依頼する業者を決めて手配しましょう。
1か月前〜3か月前には出展の告知や招待状の準備・発送など集客に注力します。前日〜1か月前は展示ブースで使うものの最終確認を行い、アンケートやマニュアルも準備します。展示ブースを設営し、打ち合わせやリハーサルを念入りに行っておきましょう。
展示会の来場者の多くは情報収集や勉強のために来ていて、できるだけ多くのブースを回ろうとするため、商談に直結するケースは少ないです。しかし、出展すれば多くのリードを獲得できるため、展示会の成果を上げるにはアフターフォローが重要です。アンケートの実施やヒアリングシートの用意など、効率良くアフターフォローできるように準備しておきましょう。
来場者視点で接客(集客)する
展示会の来場者は、会場を回りながら興味のあるブースの前で足を止めます。歩きながら興味があるかないか判断する時間はわずか3秒程度といわれています。一瞬で興味を持ってもらうには、ブースの見せ方が重要なポイントです。
自社の商品やサービスをできるだけ多く知ってもらおうとすると、何を伝えたいかわからなくなります。ブースのレイアウトは、来場者が興味を持ってくれそうな商品やサービスが目立つように展示するのが基本です。来場者視点の接客を忘れないようにしましょう。
中小企業の展示会出展には補助金・助成金を活用しよう
展示会は効率良く見込み客の獲得ができますが、出展には費用がかかります。予算のことで頭を悩ませている方もいらっしゃるでしょう。
中小企業を対象に、展示会の出展に要する費用の一部を支援する補助金や助成金があります。利用できるものがあれば、申請してみてはいかがでしょうか。
※都道府県によって補助金の内容・申請の仕方が違う場合がございます。
活用できる補助金・助成金
中小企業が展示会の出展に活用できる補助金や助成金を3つご紹介します。募集が締め切られているものもありますが、今後募集を再開する可能性もあるので確認しておきましょう。
展示会等のイベント産業高度化推進事業費補助金
経済産業省の「展示会等のイベント産業高度化推進事業費補助金」は、中小企業などが主催する海外需要獲得を目的とした展示会などのイベントについて、先進的なサービス・技術などを用いた新たなビジネスモデルの構築に向けた取り組みを行う事業の開催に要する費用の一部を支援するものです。
展示会主催者が出展者の商品・サービス・情報などを展示、宣伝するためのイベントで、公に参加可能な空間で開催されるイベントが対象です。令和4年度に公募され、7つの事業者が採択されました。補助内容は補助率1/2で、補助上限額は1,000万円です。
展示会出展助成事業
公益財団法人東京都中小企業振興公社の「展示会出展助成事業」は、BtoBの展示会への出展費用などを助成するものです。一般消費者へのPRではなく、企業との新規取引を目指す展示会が対象です。
助成を受けるには、「中小企業基本法が規定する中小企業者で、大企業が実質的に経営に参加していないもの」「東京都内に登記があり、実質的に事業を行っており、都税等の滞納がないことを証明書に提出により確認できるもの」など、いくつかの用件を満たす必要があります。
助成率は2/3以内、助成限度額は150万円です。以前は郵送による申請も受け付けていましたが、令和5年度からは国(デジタル庁)が提出するJグランツによる申請のみとなっています。
中小企業展示会等出展支援補助金
東京都新宿区の「中小企業展示会等出展支援補助金」は、区内中小企業者の販路拡大を支援する補助金です。販路拡大を目的とした展示会・見本市等の出展にかかる経費の一部に対して補助金が交付されます。対象となる経費は出展料・出店料で、補助率は2/3、上限金額は40万円です。
令和4年度に実施されましたが、令和5年度には公募がありませんでした。ただし、令和5年度は「経営力強化支援事業補助金」の補助内容の一つに展示会等出展支援(補助率4/5、30万円まで)として、中小企業者や個人事業主を支援する補助金が公募されています。
補助金・助成金を申請する際の注意点
補助金も助成金も申請するには条件や資格を満たす必要があります。助成金は条件や資格を満たしていればほぼ支給されますが、補助金の場合は書類の審査があるため、必ず支給されるわけではありません。
申請期間内であっても、予算に達したら募集を終了してしまうことにも注意が必要です。申請条件には団体の認証などが含まれていることもあるので、早めに情報収集して準備しましょう。
また、補助金や助成金が支払われるのは展示会が終わり、報告書を提出した後です。費用を支援してもらえるとはいっても、いったんは自社で全額支払う必要があります。補助金や助成金で出展費用を支払えるわけではないため、注意しておきましょう。
まとめ
中小企業が展示会に出展すると、さまざまなメリットがあります。出展には費用がかかりますが、中小企業の販路拡大を目的とした展示会出展費用を支援する補助金や助成金もあるので、活用を検討してはいかがでしょうか。
展示会で成果を出すには企画からアフターフォローまで入念な準備が必要です。自社で一から企画するのは難しい場合、展示会のプロに依頼するのがおすすめです。
ブースコムプラスは展示会の企画からブースのデザイン、施行、運営、出展後の営業活動までトータルでサポートしています。これまでにトータル3,000社以上のイベントをプロデュースした実績があるため、安心してお任せいただけます。展示会の出展予定がある中小企業の担当者様は、ブースコムプラスにご相談ください。
この記事を書いた人
運営事務局ブースコムプラス
展示会出展やプロモーションイベント開催時のブース設営を行っているブースコムプラスの運営事務局です。