展示会に出展した際、自社のブースに足を運んでくれた来場者は大切にしたいものです。自社のプロダクトやサービスに興味を持ってもらえたのであれば、後々の大きなビジネスにつながる可能性があります。
展示会で獲得したリードをしっかりと商談につなげるために重要なのは、適切なアフターフォローです。同業他社も多数出展したなかで、自社の印象をより強くしてもらうためには、現場だけでアピールを終わらせてはいけません。
この記事では、展示会後に送るお礼メールの具体的な送り方やタイミング、その後の流れなどを解説します。また具体的な例文も紹介します。
展示会に出展後にお礼メールを送る理由
展示会に出展したあと、興味を持ってくださった方々にメールでお礼をする理由としては、以下の2点が挙げられます。
- ・自社のプロダクト、サービスを印象づける
- ・お問い合わせや商談につなげられる
どちらも大切な要素なので、以下の解説を読んできちんと把握しておいてください。
自社のプロダクト・サービスを印象付ける
お礼のメールを送ることで、自社のプロダクト・サービスをより強く印象付けられます。
展示会に足を運んでくださり、少なからず自社の展示物に興味を持ってくださった方々は、いわゆる見込み顧客と呼ばれる存在です。しかし彼らは限られた時間のなかで数多くのブースを回ったので、必ずしも自社のことを強く覚えているわけではありません。
そこで閉会後に、いただいた名刺などをもとにメールを送っておき、自社の名前やプロダクト・サービスについて、まずは「思い出してもらう」ことを狙います。
あくまでもお礼なので、この段階で過剰な売り込みはしません。ブース内でのやり取りなどに触れることで記憶を甦らせてもらい、自社の存在感を先方のなかで大きなものにすることが目的です。
お問い合わせや商談につなげられる
お礼のメールを送ったことによって、あらためて自社のプロダクトやサービスに興味を持ってもらえた場合、先方が次のステップに進むことを期待できます。自社のWebサイトを訪問してくれたり、そこからお問い合わせをしてくれたりといった行動に移るかもしれません。
先方が上記のような動きを見せたら、見込み顧客として次のステップに進んだことになります。具体的な商談に発展することも十分に考えられるでしょう。
しかし見込み顧客を逃したくないあまり、お礼のメールのなかでアピールしすぎてしまうと、逆効果になりかねません。興味が膨らんでいない段階であまり強く押されると、気持ちが引いてしまうからです。
あくまでも自社の存在を思い出してもらうことにとどめ、先方が自発的に興味・関心を抱いてくれるのを待つことが大切です。
お礼メールの前にリードの整理を
前項で解説した通り、見込み顧客に対しお礼のメールを送ることは大切ですが、その前にまずリードの整理をしておく必要があります。自社の展示ブースに足を運んでくれた方々は、以下のようにさまざまな分類ができるからです。
- ・導入するべき製品を具体的に探しに来た人
- ・単に情報収集が目的で来た人
- ・会社からの指示で来た人
上記の方々にはそれぞれ異なる対応が必要となります。たとえば自社製品に強い興味を持ってくれた見込み顧客に対するメールと、ノベルティのためだけに名刺交換をした見込み顧客に対するメールとで、同じアプローチをしてもあまり効果はありません。
いただいた名刺を一緒くたにしてしまうと、上記の方々がすべてごっちゃになってしまいます。そこで展示会が終わったら、まずはリードの整理をおこない、どなたにどのようなアプローチをするのが適切かを仕分けしておきましょう。
お礼メールを送る
ここでは具体的なお礼メールの送り方について解説します。押さえておくべきポイントは、以下の6つです。
- ・閉会後すぐに送る
- ・紹介したプロダクト、サービスのURLを記載する
- ・当日の内容を載せる
- ・文章は短く簡潔にする
- ・特典やメリットを添える
- ・配信停止用のURLも忘れない
どれが欠けても、アフターフォローとしては不完全といわざるを得ません。以下の解説を読んでしっかり把握しておきましょう。
閉会後すぐに送る
お礼メールは、展示会が終了したあとすぐに送りましょう。なるべく早く送ったほうが、自社のことを強く印象付ける結果につながります。なぜならライバルとなる同業他社も同様のメールを送っている可能性があり、後塵を拝すると内容にかかわらずどうしても印象が弱くなってしまうからです。
できれば閉会後、当日のうちに送っておきましょう。素早い処理をすること自体がアピールの効果を持っています。
当日がどうしても無理な場合でも、遅くとも翌日中には必ず送ってください。それより遅くなってしまうと、効果は大きく下がってしまいます。
紹介したプロダクト・サービスのURLを記載する
お礼メールのなかには、会場で紹介したプロダクト・サービスに関するURLを記載しておきましょう。
メールはあくまでも自社のことを強く思い出してもらうためのものであり、この時点では過度なアピールはしません。あくまでも先方が自発的に自社に興味を持ってもらうことが狙いです。
しかしそれゆえに、先方が興味を持った内容をすぐに調べられるよう、プロダクト・サービスのURLを記載しておくことは欠かせません。自発的な興味は、湧いた瞬間に掘り下げられないと、すぐにまた消えてしまう儚いものだからです。
URLはさりげなく記載しておくのがコツです。リンク先を閲覧して欲しいという気持ちが強く出過ぎないよう注意しましょう。
当日の内容を載せる
お礼メールのなかでは、当日の展示会の様子についてしっかり触れておきましょう。先方と具体的なやり取りをしたのであれば、その内容についてもくどくならない程度に言及しておくと効果的です。
ここでの目的は、自社ブースで起きたことを強く思い出してもらうことです。前項でも解説した通り、この段階では過度のアピールはご法度。先方が自発的に自社の記憶を蘇らせてくれることに期待します。
思い出してもらえる可能性を高めるために、当日の写真を添付しておくのもよい方法でしょう。ただしあまりに添付ファイルが多すぎると違和感があるので、ほどほどに留めておく節度も肝心です。
文章は短く簡潔にする
これはビジネスメール全般にいえることですが、文書はできる限り短く簡潔にしましょう。
ビジネスメールに冗長な表現は必要ありません。先方も忙しいなかメールを読んでくださっているので、必要なことを最小限にとどめた文章を送る心遣いが大切です。
メール本文の内容はもちろんのこと、件名もわかりやすくしておきましょう。メールアプリを開いて件名が表示された瞬間に「あのときの展示ブースの会社からだ」と気づいてもらえるのが理想です。
もちろん、思わず開いて本文を読みたくなるような、興味をそそるフックを仕込んでおくことも忘れてはいけません。
特典やメリットを添える
お礼メールは、あくまでも先方に自発的に興味・関心を抱いてもらうことが目的です。したがって自社のプロダクトやサービスを過度にアピールしてはいけません。
しかしあくまでも「過度なアピールはよくない」という話であって、まったくなんのアピールもない内容も、それはそれで問題です。文字通りただのお礼だけで終わっていては、自発的な興味・関心を生むのは難しいでしょう。
メールには、ブースで先方にアピールしたプロダクト・サービスの、具体的な特典やメリットを記載しておきましょう。「買ってください」と強く出るのではなく、惹きつけるイメージでさりげなく載せておくのがコツです。
特典やメリットの内容が先方の事情とうまく噛みあえば、問い合わせや商談につながることが期待できます。
配信停止用のURLも忘れない
リードを獲得できたら、なんとしてもそれを商談へとつなげたいものです。そのため1度のお礼メールで終わるのではなく、継続的にメールを送信することもあるでしょう。しかしその際には、配信停止用のURLを記載するのを忘れないでください。
メールを送ったすべての相手が、こちらからのメールに肯定的なわけではありません。なかにはこれ以上送らないで欲しいと思っている方もいるでしょう。そのような方のために配信停止用のURLを設けておかないと、押し売りのような印象を与え、ビジネスに悪影響を及ぼします。
メールを送る際に大切なのは、押し付けがましくないよう心がけることです。プロダクト・サービスを過度にアピールすべきでないのと同じ理由で、配信停止用のURLも用意しておく必要があります。
リード獲得のためのお礼メール送付後の流れ
着実にリードを獲得するために、お礼メールを送ったあとにすべきこととして、以下のような流れが考えられます。
- ・営業担当からのフォロー
- ・継続的なメール送信
- ・お礼メールの効果測定
いずれも顧客獲得のためには欠かせないものです。以下の解説を読んで必要性を理解し、再現できるようにしておきましょう。
営業担当からのフォロー
すでに解説した通り、お礼メールを送るすべての相手が同じ程度に自社に興味を持っているわけではありません。自社の商品に対して強い興味を持ってくれた方もいれば、単にノベルティなどが目的でブースを訪れただけの方もいます。
自社に強い興味を持ってくれた方に対しては、メールを送信したあと営業からのフォローを入れておきましょう。具体的には送信後少し経ってから、当日のやり取りをやや匂わせつつ接近するなどのやり方があります。
営業担当と直接的なつながりができることで、先方も自社のプロダクト・サービスに対するお問い合わせがしやすくなり、興味・関心が商談につながる可能性が高まります。
継続的なメール送信
現時点でまだ自社商品に強い興味までは抱いていない見込み顧客に対しては、継続的なメール送信をすることで、時間をかけてアピールする手段が考えられます。
継続的なメールのなかで、商品・サービスの具体的なメリットを手短にわかりやすく解説します。読み続けるうちに、少しずつ先方の興味が膨らんでいくのが理想です。どのタイミングで先方が動き出してもよいように、すべてのメールに商品・サービスに関するWebページのURLを記載しておきましょう。
この種の継続的なメールは、最初に送信するものよりはやや押しが強くても問題ありません。なぜなら継続メールは明らかに売り込みであり、それを隠す必要性が薄いからです。とはいえ、やはり押し付けがましくない内容にするのは大切です。
お礼メールの効果測定
お礼メールをただ送るのではなく、しっかりとした効果測定もおこなっておきましょう。見込み顧客を分類し、それぞれのタイプに応じたメールを送ることが大切なことはすでに解説しました。その分類や、各メールの内容が妥当なものであったのか、定期的にチェックし改善しなければいけません。
適切な効果測定をおこない、PDCAサイクルを回すことで、より精度の高いメールに成長していきます。見込み客の分類が確かで、正しい訴求ができているならば、長い目で見たとき大きな効果となって現れるでしょう。
展示会のお礼メールの例文を紹介
ここでは、展示会に足を運んでくれた見込み顧客に対する、お礼メールのサンプルを紹介します。
お問い合わせや商談につながりそうな相手と、すぐには繋がりそうにない相手とでは、適切な文面が異なります。それぞれについて見ていきましょう。
お問い合わせや商談に繋がりそうなリードへの例文
『件名:【○○展示会】××ブースご来場のお礼
相手の会社名
相手の氏名
【自社名】【氏名】と申します。
先日はお忙しい中、○○展示会・当社【キャッチコピー】ブースにお立ち寄りいただき、誠に有難うございました。
ブースでは、【相手の氏名】様に【商品・サービス名】の次期モデルの進化点や発売時期など(当日のやり取りの内容)についてご説明させていただきましたが、ご参考になりましたでしょうか。
弊社の説明が至らない点もあったかと存じます。そこで、下記にそれぞれのモデルの特徴をまとめた資料をご用意させていただきました。ご都合のよいときにご覧いただければ幸いです。
○現行モデルの説明:【URL】
○次期モデルの説明:【URL】
これらの商品(サービス)について、可能であれば弊社担当者から直接ご説明をさせて頂きたく存じます。
下記リンクよりご予約いただくか、あるいは直接ご返信くださいませ。
○商談予約:【URL】
ご返信、心よりお待ちしております。
今後ともよろしくお願いいたします。
【署名】』
このメールでは、先方がすべて自社の商品・サービスに具体的な興味を抱いていることが前提になっています。だからこそ、現行モデルと次期モデルの相違点といった細かな内容や、当日の会話に踏み込んでいます。
この熱量は、相手のなかですでに自社への興味が形になっているとき、初めて適切に働くものです。
お問い合わせや商談に繋がらなそうなリードへの例文
『件名:【○○展示会】××ブースご来場のお礼
相手の会社名
相手の氏名
【自社名】【氏名】と申します。
先日はお忙しい中、○○展示会・当社【キャッチコピー】ブースにお立ち寄りくださいまして、誠に有難うございました。
今回は、【製品名1】、【製品名2】を中心にご紹介させていただきましたが、ご参考になりましたでしょうか。弊社製品に関する詳しい説明は、下記URLよりご覧いただけます。
【URL】
なお、ご不明な点などございました際は、本メールにご返信いただくか、下記問い合わせ先までお気軽にご連絡くださいませ。
今後とも、よろしくお願いいたします。
【署名】』
このメールでは、先方がまだ自社の商品・サービスに強い興味までは抱いていないことが前提となっています。必要最小限のお礼と商品の紹介はしていますが、一定以上細かい内容には踏み込んでいません。強い興味がなければ、細かすぎる内容は一方的に話を進めようとしている風に感じられるからです。
積極的な売り込みは後の継続的なメールに任せ、ここでは最低限、当日のやり取りを思い出してもらえることに専念しています。
プロに依頼することもできる
ここまで解説してきた通り、展示会に足を運んでくれた見込み顧客に対してお礼のメールを送るのは、必須といってもよい行為です。先方の興味の度合いにあわせ、適切な内容のメールを素早く送ることが肝心です。
しかし「たかがメール」といっても、いったん考え込んでしまうと、どうあるべきか悩んでしまうこともあるかもしれません。大切であると思えば思うほど、無数の選択肢が頭に浮かんで、どうすればよいかわからなくなってしまうのはよくあるケースです。
そんなとき、ブースコムプラスに依頼すれば、ブースの企画・設営などとセットでお礼メールを送る業務も一任できます。展示会に関する「スタートからゴールまで」を越え、ゴール後のアフターフォローも可能であることは、ブースコムプラスの大きな強みであると考えています。
プロの手によるお礼メール業務に興味のある方は、ぜひブースコムプラスにお問い合わせください。
まとめ
展示会で獲得したリードへのお礼メールに関して、必要性やコツ、具体的な例文などを解説しました。
展示会に出展する目的は、新規顧客を獲得することです。そのためにできることは、どんな細かいことでも手を抜かずにやり尽くす必要があります。メールでお礼をするのもその1つです。
この記事を参考にして、適切な相手に適切なお礼メールを送れるようになってください。
この記事を書いた人
運営事務局ブースコムプラス
展示会出展やプロモーションイベント開催時のブース設営を行っているブースコムプラスの運営事務局です。