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展示会の成果は、当日の会話だけで決まりません。短い滞在時間で伝えきれない価値を後から思い出してもらうための鍵が、フライヤーです。
ブースの印象を補強し、商談化の糸口をつくる無言の営業ツールとして、設計と配布の質が反応率を左右します。
本記事では、展示会用フライヤーの役割と、目的設計・コピー・情報の見せ方・QR導線・配布タイミングまで、成果につながる作り方を実例ベースで解説。
紙の1枚を、展示会後の問い合わせと商談に直結させるための実践ポイントを凝縮してお届けします。
展示会用フライヤーとは
展示会でのフライヤーの役割
展示会におけるフライヤーは、単なる配布物ではなく、ブースの印象や自社の強みを来場者の記憶に残すための営業ツールです。
短い滞在時間の中で伝えきれなかった情報を補完し、展示会後のフォローや商談につなげる役割を担います。
特に、複数ブースを回る来場者にとっては「どの会社だったか」を思い出す手がかりとなるため、デザイン・情報構成の工夫が重要です。
名刺やパンフレットとの違い
名刺は「個人との接点」を示すものであり、パンフレットは「企業や製品の全体像」を伝える媒体です。
一方フライヤーは、展示会の目的やテーマに合わせて最も伝えたい一点を強調するピンポイント資料。
そのため、展示会特化型の設計が必要です。名刺と一緒に渡すことで印象を強め、パンフレットへの導入として機能させるのが理想的です。
来場者視点での重要性
来場者は1日に数十社と接触するため、展示会後には「どの企業がどんな話をしていたか」思い出せないことも多いものです。
その中で、見やすく・要点がまとまったフライヤーは、記憶のトリガーとして非常に効果的です。
また、フライヤーは営業担当がいない場面でも自社を代弁する無言の営業マンとなるため、内容とデザインの両立が欠かせません。
成果につながるフライヤー作成のポイント5選
目的とターゲットを明確にする
フライヤー制作の第一歩は、「誰に何を伝えたいのか」を明確にすることです。
来場者が製品導入を検討中なのか、情報収集段階なのかによって、伝えるべき内容やトーンは異なります。目的が曖昧なまま作ると情報の寄せ集めになり、印象が薄くなってしまいます。
「導入を後押しする資料」なのか「認知を広げる資料」なのか、意図を定めて設計しましょう。
一目で伝わるキャッチコピーを作る
展示会では、来場者がフライヤーを手に取るかどうかを数秒で判断します。そのため、キャッチコピーは一目で何が得られる資料なのかがわかることが重要です。
「3分でわかる最新○○ソリューション」「コスト50%削減を実現した事例集」など、成果・効果・ベネフィットを端的に表現しましょう。
コピーのトーンは「説明」よりも「期待を喚起する」ことを意識します。
製品やサービスの特徴を簡潔にまとめる
展示会では、複数の競合製品と比較検討が行われるため、長文では読まれません。
特徴を3点以内に絞り、「誰に」「何を」「どう解決できるか」を中心にまとめましょう。
また、数字を入れると説得力が増します。「導入企業○○社」「コスト削減率△%」など、具体的な数値情報を載せると印象に残りやすくなります。
写真や図解で視覚的に訴える
人は文章よりもビジュアルから情報を理解します。説明文だけでなく、写真・図解・アイコンを効果的に配置し、内容を一目で把握できるデザインにしましょう。
「Before→After」や「導入前後の比較グラフ」など、視覚的に変化を示す要素は特に強い訴求力を持ちます。
フライヤーは読むよりも見る資料として設計することが成功の鍵です。
行動を促す導線(QR・特典)を設置する
展示会で配布したフライヤーは、来場後の行動につなげる設計が必要です。QRコードを活用し、「詳しい資料はこちら」や「導入事例をダウンロード」などの次のアクションへ誘導しましょう。
また、「展示会限定キャンペーン」「アンケート回答で特典」など、来場者が動きやすくなる仕掛けを入れると反応率が高まります。
フライヤーの構成とデザインの基本
表面で注目を引くビジュアル構成
表面は、来場者の目を止める第一印象エリアです。強いキャッチコピーと印象的なビジュアルを配置し、「何の資料なのか」が3秒で理解できる構成にします。
企業ロゴや製品写真を大きく配置するだけでなく、余白や視線誘導を意識することで、視覚的に整理された印象を与えられます。
裏面で詳細や導入事例を紹介
裏面では、表面で興味を持った来場者に向けて、具体的な信頼情報や実績を示します。導入事例やお客様の声を載せることで、説得力が増します。
また、価格やプランなどの実務的情報を裏面にまとめると、会場で即比較検討できる判断資料として活用されやすくなります。
色使い・フォント・余白の設計
フライヤーは、情報を詰め込みすぎず「見やすさ」を最優先に考えましょう。ブランドカラーを基調に、アクセントとして補色を使うとメリハリが出ます。
フォントはタイトル・本文・注釈の3階層で統一し、文字間や余白を広く取ることで上品で読みやすい印象を与えられます。
情報を整理して魅せることが、デザインの本質です。
ブランドトーンとの統一感
展示会ブース、スタッフユニフォーム、Webサイトなど、すべての接点がブランド体験として一貫していることが重要です。
フライヤーだけが独立したデザインになってしまうと、企業イメージにブレが生じます。
ロゴ位置・カラーコード・トーン&マナーをブランドガイドラインに沿って統一することで、信頼感とプロフェッショナルな印象を与えられます。
配布のタイミングと方法
会場内での効果的な配り方
闇雲に配布するよりも、「ターゲット層が集まる時間・場所」を見極めることが重要です。来場者の流れを観察し、ブース前で話しかけやすい導線上にスタッフを配置しましょう。
配布時には、一言メッセージ+笑顔+資料の差し出し方を統一するだけで、受け取り率が大きく変わります。
名刺交換時の自然な渡し方
名刺交換と同時にフライヤーを渡す場合は、「こちらにサービス概要を簡単にまとめています」と一言添えると自然です。
話の流れで渡すと営業感が和らぎ、印象が良くなります。
また、複数の資料を渡す場合は、フライヤーを最前面に置くことで、後から取り出した際にも目に留まりやすくなります。
受付・休憩スペースでの設置活用
受付付近やセミナー会場入口など、待ち時間が発生する場所は配布の好ポイントです。手持ち無沙汰な来場者の目に入りやすく、自然に手に取ってもらえます。
スタンド型ラックを活用し、見出しが視認できるデザインにしておくと取りやすさが格段に上がります。
来場者行動を踏まえた配布戦略
展示会の特性によって、来場者の行動動線は異なります。IT系展示会ではセミナー後のタイミング、製造業系では技術ブースの見学後など、最も情報を吸収しやすい瞬間を狙って配布しましょう。
行動心理を踏まえた配布戦略が、効率的なアプローチにつながります。
反応率を高める工夫
QRコードでオンライン資料へ誘導
フライヤーは紙媒体でありながら、デジタル導線を組み込むことで次の行動を生み出せます。特にQRコードは、来場者が手軽にアクセスできる最も有効な仕掛けです。
フライヤーにQRコードを掲載し、製品ページ・導入事例・製品動画・ホワイトペーパーなど、より詳細な情報へ誘導しましょう。
また、単にQRコードを載せるだけではなく、行動を促す一言を添えることが重要です。
「読み込むだけで詳しい事例をチェック」「今すぐ動画で効果を確認」など、具体的なベネフィットを伝えることで、読み込み率が大幅に上がります。
さらに、QRコードの遷移先にはアクセス解析を設定し、どの展示会・どのフライヤーからアクセスがあったかをデータで追えるようにすると、成果の可視化と改善が可能になります。
限定特典やキャンペーンの記載
来場者は多くの資料を受け取るため、どれだけ印象的なフライヤーでも行動のきっかけがなければ後回しにされてしまいます。
そこで効果的なのが、展示会限定の特典やキャンペーン情報の掲載です。
「展示会期間中にお問い合わせいただいた方に○○プレゼント」「当日登録で初期費用○○%オフ」など、その場で動く理由を明確に示しましょう。
特典を設定する際は、必ず期限を明記して今行動するメリットを強調します。「〇月〇日まで有効」「展示会終了後3日間限定」といった制限を設けることで、緊急性と希少性を演出できます。
また、QRコード先のフォームにキャンペーンコードを入力する方式にすれば、来場経路の把握や効果測定にもつながります。
展示会限定のメッセージ設計
展示会フライヤーの大きな特徴は、今この場にいる来場者へ直接響かせることができる点です。
そのため、一般的な販促資料のように汎用的な文言ではなく、展示会限定のライブ感あるメッセージを設計することが効果的です。
「本日限定でご紹介中」「展示会来場者様向けのご案内」「○○展示会特別プラン実施中」など、現場限定の文言は心理的な特別感を生み出します。
また、フライヤーのデザインに展示会ロゴや開催日を入れておくと、イベント記憶と結びつきやすく、後日見返した際に「この展示会で話した企業だ」と思い出してもらえる確率が高まります。
SNS・メルマガとの連動
展示会後の接点維持には、フライヤーを起点にしたオンライン接続が欠かせません。
QRコードの遷移先を自社のSNSアカウントやメルマガ登録ページに設定しておけば、展示会後も継続的に情報を発信できます。特にBtoB商材では、すぐに商談化しないリードも多く存在します。
そのような層に対して、定期的に有益な情報を届けることで、関係維持型リード育成が可能になります。
たとえば、展示会で配布したフライヤーのQRから登録したユーザー向けに、フォローアップメールを自動配信する仕組みを組み込むのも効果的です。
紙媒体とデジタルを連携させることで、展示会を単発イベントではなく、長期的なマーケティングサイクルの入口として活用できます。
さらに、SNSでは展示会の様子や導入事例を発信し、ハッシュタグを用いて会場外からの拡散を促すのも一つの手です。
「#展示会名+#自社製品名」といった投稿を促せば、来場者の発信を通じて二次的な露出効果も得られます。
展示会フライヤーのコツ5選
メリットを一言で伝える
展示会では、来場者が1枚のフライヤーを手に取る時間はわずか数秒。その短い瞬間で「何が得られるのか」「どんなメリットがあるのか」を伝えられるかどうかが成果を分けます。
フライヤー冒頭には、来場者が思わず行動したくなる一文を配置しましょう。「導入でコストを30%削減」「3分で課題解決の仕組みがわかる」など、数字や行動の結果を具体的に示すことで信頼性が高まります。
また、キャッチコピーとサブコピーの関係も重要です。
キャッチコピーで興味を引き、サブコピーで「なぜそれが可能なのか」を簡潔に説明することで、短い時間でも訴求力を発揮します。
見る人の立場で情報を整理する
フライヤー制作で陥りやすいのが、「自社が伝えたいこと」を中心に構成してしまうことです。
しかし、展示会では来場者の目的や課題感が多様であるため、相手視点で情報を整理することが何よりも大切です。「来場者はこの情報を見て何を理解したいのか」「初見でもすぐに内容がわかるか」を基準に内容を絞り込みましょう。
特にBtoB展示会では、専門用語を使いすぎると理解のハードルが上がります。一般的な表現と専門情報のバランスを意識し、図表やアイコンを使って誰でも理解できる構成を意識すると良いでしょう。
また、製品説明よりも「課題→解決策→効果」の流れで構成することで、読んだ瞬間に自社の強みが伝わります。
紙質やサイズにこだわる
フライヤーは「内容」だけでなく、「触れた瞬間の質感」も印象を左右します。
たとえば、厚手のマット紙は落ち着いた高級感を演出でき、IT・コンサル系の展示会に向いています。
一方で、コート紙や光沢紙は写真や製品のビジュアルを引き立てるため、デザイン・製造・美容関連の展示会に適しています。
また、サイズ選びも戦略の一部です。A4三つ折りは持ち帰りやすく情報量も確保できる定番スタイル。A5サイズやスクエア型などは他と違う印象を与えることができます。
展示会では、他社と並んだときにどう見えるかも重要。紙質・厚み・サイズのすべてが記憶に残る資料づくりに直結します。
QR誘導でデジタル連携する
展示会はあくまで出会いのきっかけです。その後の関係構築につなげるには、デジタルとの連携が欠かせません。
フライヤーにQRコードを設置し、LP・事例集・動画・問い合わせフォームなどのオンラインコンテンツへ誘導しましょう。QRをスキャンした人の行動データを分析すれば、どの内容が反応を得たかを可視化できます。
また、アクセス先を展示会専用ページにすることで、「展示会経由の見込み顧客」を特定しやすくなります。
さらに、フライヤーに「読み込むだけで詳しい資料がダウンロードできます」「限定動画を公開中」といった行動促進の一文を添えることで、読み取り率が大幅に上がります。
定期的に内容をブラッシュアップする
フライヤーは一度作って終わりではなく、展示会ごとに進化させるべき営業資産です。出展テーマや市場動向が変われば、訴求すべき内容も変化します。
たとえば、前回よりも新しい事例を追加する、反応の薄かった要素を削るなど、改善のサイクルを回すことで資料の完成度は上がっていきます。
また、前年のフライヤーと並べて比較すると、デザインやメッセージの方向性を検証できます。
「昨年より伝わりやすくなったか」「最新の導入実績が反映されているか」などをチェックし、常に今の会社を表す一枚に更新することが信頼につながります。
まとめ
展示会で配布するフライヤーは、単なる資料ではなく「記憶をつなぐ営業ツール」です。目的設定・デザイン・配布タイミング・フォロー導線のすべてが連動して初めて成果につながります。
印象に残る一枚を作り、展示会後の商談や問い合わせへ確実につなげていきましょう。
ブースコムプラスは、展示会の企画からブース設計・運営・フォローまでをトータルでサポートしています。
フライヤーや販促ツールを含めた効果的な展示会運営をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
運営事務局ブースコムプラス
展示会出展やプロモーションイベント開催時のブース設営を行っているブースコムプラスの運営事務局です。
